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仕事設計ガイドブック

就労の困難を「個人の問題」ではなく「設計の課題」として読み替える27のフレーム。
当事者が自分の状況を整理するためにも、支援者が現場で使うためにも設計されています。

3つの設計層

まず「どの設計層で詰まっているか」を見てから、該当フレームを開いてください。

設計層7フレーム

症状・経過との共存設計

体調・治療・疾患管理と仕事の密度がぶつかるとき、勤務設計と経過への備えを整えるレイヤー。本人の頑張り方ではなく、業務量・時間・治療スケジュール・職場内の管理環境をどう設計し直すかを見る。 **対応FCHMAドメイン**: D1(症状変動)+ D7(時間経過・移行不安定化) **主要根拠クラスタ**: C4(難病・中等度身体負荷)、C8(難病・治療通院衝突)、C10(難病・重度身体負荷)、C1(難病・高困難)、C5(難病・病状進行不安)

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設計層11フレーム

仕事・環境の適合設計

仕事の内容・指示・情報提示・コミュニケーション環境と、本人の感覚・認知・身体特性が合っていないときに使うレイヤー。本人の特性を変えようとするのではなく、仕事の要求と職場環境の設計を変えることを目指す。 **対応FCHMAドメイン**: D2(仕事要求ミスマッチ)+ D4(配慮・環境ギャップ) **主要根拠クラスタ**: C3(発達障害)、C7(視覚障害)、C9(聴覚障害)、C11(障害横断・指示困難)、C14(高次脳機能障害)

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設計層9フレーム

参加経路と社会的接続の設計

就労意欲・開示判断・求職活動・支援接続・制度活用が詰まるときに使うレイヤー。就職活動の前・途中・就職後のいずれの段階でも使える。「準備が整ってから」という前提ではなく、今の状態から始められる接続経路を設計することを目指す。 **対応FCHMAドメイン**: D3(参加・役割不安定化)+ D5(説明・開示媒介)+ D6(支援連携アクセス)+ D8(制度制約・制度アクセス) **主要根拠クラスタ**: C2(全方位困難・就労断念)、C12(見えない難病・開示困難)、C0(内部障害・制度格差)、C13(難病・制度格差意識)、C5(病状進行不安)

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設計層

症状・経過との共存設計

設計層

仕事・環境の適合設計

Ⅱ-01

感覚環境の設計

光・音・温度・においなどの感覚刺激が本人の感覚特性と不整合であり、就労中の過負荷・消耗・集中困難を引き起こしている。

Ⅱ-02

通勤・移動の負荷設計

通勤経路・手段・所要時間・移動動線が身体的・感覚的・認知的負荷として就労継続を妨げている。

Ⅱ-03

会議・情報処理の設計

会議の形式・情報提示の速度と量・複数情報の同時処理が認知処理の特性と合っておらず、情報の取りこぼし・意思決定の遅延・過負荷が生じている。

Ⅱ-04

視覚的情報アクセス設計

書類・画面・標識・掲示物などの視覚的情報が本人の視覚特性に対応していないため、業務遂行や職場内の移動・安全に支障が生じている。

Ⅱ-05

音声・コミュニケーション環境の設計

口頭指示・音声情報・コミュニケーション形式が本人の聴覚・言語特性に対応しておらず、業務上の情報取得や対人コミュニケーションに支障が生じている。

Ⅱ-06

対人応答負荷の調整

職場での対人インタラクションの密度・形式・頻度が本人の負荷許容量を超えており、消耗・回避・業務遂行困難を引き起こしている。

Ⅱ-07

指示・業務設計の明確化

指示の曖昧さ・暗黙の前提・優先順位の不明確さが業務遂行を困難にしており、「わかっているはずなのにできない」状態が繰り返されている。

Ⅱ-08

タスク切替の負荷設計

複数業務の並行処理・タスク切替の頻度が認知負荷として機能障害を増幅させており、集中困難・ミスの増加・過負荷が生じている。

Ⅱ-09

記憶・段取りの外部化設計

手順・スケジュール・約束・締め切りの記憶・管理が認知機能の特性上困難であり、忘れ・ミス・段取りの破綻が繰り返されている。

Ⅱ-10

情報共有の範囲設計

職場内での情報共有(誰に・何を・どこまで共有するか)の範囲が設計されておらず、過剰な開示・不十分な情報共有のいずれかによって職場適応が妨げられている。

Ⅱ-11

安全重視業務の運用設計

安全上の配慮が必要な業務(高所・機械・電気・薬品等を扱う作業)において、症状・特性を踏まえた運用ルールが設定されておらず、安全リスクと就労継続の両立が困難になっている。

設計層

参加経路と社会的接続の設計

Ⅲ-01

就労意欲・社会参加の再接続

困難の蓄積により就労意欲が低下し、支援への相談・求職活動・日常的なやり取りを含めた社会的な能動性が全体的に困難な状態になっている。

Ⅲ-02

制度的所属と就労選択肢の整理

障害者手帳の有無・疾患の性質・等級によって利用できる就労支援制度・就労枠組みが異なり、「自分がどの制度を使えるのか」「どの枠で就職すればよいのか」が整理できていない。

Ⅲ-03

開示判断の設計

症状・診断・配慮ニーズを職場や採用担当者に「伝えるかどうか」の判断基準がなく、「伝えると不利になるかもしれない」「伝えないと配慮が得られない」という両立困難が就職活動・在職継続を妨げている。

Ⅲ-04

伝え方の設計

症状・診断・配慮ニーズを伝えるかどうかの判断はできているが、「どのように・どこまで・誰に」伝えるかの具体的な表現・戦略が定まっておらず、職場での理解と配慮が得られていない。

Ⅲ-05

求職活動の道筋設計

求人探索・応募・選考というプロセスの段取りが、障害・疾患の特性や制度的所属を踏まえて設計されていないため、求職活動が止まるか非効率なルートを繰り返している。

Ⅲ-06

実習・訓練から就業への接続

就労準備訓練・実習の経験が実際の競争的雇用への移行に結びつかず、訓練環境の中で停滞している。

Ⅲ-07

収入・給付の安定設計

就労することによる収入と、障害年金・医療費助成・生活保護等の各種給付のバランスが整理されておらず、「働くと生活が苦しくなる(働き損)」という不安が就労の障壁になっている。

Ⅲ-08

支援ネットワークへの接続

利用可能な支援機関・制度へのアクセス経路が不明か、存在は知っているが「動けない」「開示できない」「信頼できない」という理由で接続できていない。

Ⅲ-09

職場内相談ルートの設計

在職中に困りごとが生じたとき、誰にどのようにどのタイミングで相談するかの経路が整備されておらず、問題が大きくなるまで気づかれないか、相談しても変わらないという状況が繰り返されている。