Ⅱ-03
会議・情報処理の設計
会議の形式・情報提示の速度と量・複数情報の同時処理が認知処理の特性と合っておらず、情報の取りこぼし・意思決定の遅延・過負荷が生じている。
着眼点
問題は理解力の不足ではなく、情報の提示方法と処理容量のミスマッチにある。同じ情報でも提示方法の変更で処理可能になる。
こんな場面で起きやすい
先に見えやすい文脈: 高次脳機能障害 / 発達障害 / 難病・精神障害(疲労・認知症状を伴う場合)/ 聴覚障害
状況レベル(🟢 → 💣)
- 🟢 安定・予防: 情報提示の形式が特性に合わせて設計されており、会議が機能している。
- 🟡 要調整: 一部の会議形式で情報取りこぼしが起きているが、業務への影響は限定的。
- 🔴 高頻度支障: 会議や打ち合わせで情報が追いつかず、業務の質と継続性に影響が出ている。
- 💣 破綻・停止: 会議への参加自体が過負荷になり、業務遂行が困難な状態になっている。
鑑別診断 / 問題の切り分け
このフレームを使うとき
- 主課題が「会議・打ち合わせでの情報処理と参加設計」なら、このフレームを優先する。
近いフレームとの見分け方
- 書面・画面の視覚的情報アクセスが主課題なら「Ⅱ-04」へ。音声・聴覚環境が主課題なら「Ⅱ-05」へ。業務の指示の明確さが主課題なら「Ⅱ-07」へ。
具体的な取組み内容
最初にやること
- 会議のアジェンダと資料を事前(24時間前)に共有する
- 口頭説明に加えて書面・スライドでの視覚的補完を標準化する
- 発言・質問は一つずつ、間を置いて行う
- 会議後に決定事項・アクション項目を文書化して共有する
- 必要に応じて会議の録音・後での確認を許可する
見落としやすい点
- 「会議が苦手」の原因は一つではない(聴覚・視覚・認知負荷・対人緊張など)。原因を特定してから設計変更する
- 難病・精神障害による認知疲労は「その日の調子」で変動する。固定ルールだけでなく可変設計も必要
設計の考え方
会議の設計変更は個人への特別対応ではなく、情報共有の質を全員に向上させる。「事前資料の配布」「決定事項の文書化」は普遍的に有効。
外部と一緒に考える場面
- 障害者職業センターの職業場面を踏まえた職業評価(効果推定-0.09〜-0.10)が会議参加の困難パターンを職業的場面で評価できる。就業生活支援センター(Q1転換差+16.4pt)・HW(+15.3pt)が企業への会議設計変更の配慮申請(企業へのアプローチ、効果推定-0.07〜-0.09)を担える。障害理解・対処支援(効果推定-0.08)が会議設計変更への職場理解を促進できる。