Ⅰ-01
体調変動の設計
症状の波・疲労・回復遅延がある場合、日・週・月単位で達成度が変動し、標準的な業務密度の維持が困難になりやすい。
着眼点
問題は体力不足ではなく、業務密度と症状の変動リズムのズレが累積していることにある。難病では日単位の波だけでなく、週・月・季節単位での変動パターンが見られることが多い。
こんな場面で起きやすい
先に見えやすい文脈: 難病(慢性疾患含む)/ 内部障害 / 精神障害
状況レベル(🟢 → 💣)
- 🟢 安定・予防: 変動リズムを前提に業務量と休憩が組まれ、悪化前に負荷を下げられる。
- 🟡 要調整: 休憩や業務再配置で持ち直せるが、変動パターンに合わせた設計がまだ不十分。
- 🔴 高頻度支障: 週後半や繁忙期に失速が反復し、品質と回復の両方が落ちる。
- 💣 破綻・停止: 数日単位で稼働が崩れ、欠勤や業務停止が続いている。
鑑別診断 / 問題の切り分け
このフレームを使うとき
- 主課題が「症状の変動リズムに合わせた業務密度の可変設計」なら、このフレームを優先する。
近いフレームとの見分け方
- 通院日程との衝突が主課題なら「Ⅰ-02 治療・通院の統合設計」へ。職場内での服薬・休憩管理が主課題なら「Ⅰ-03 職場内疾患管理の実装」へ。復職後の段階復帰設計が主課題なら「Ⅰ-06 段階的職務設計」へ。
具体的な取組み内容
最初にやること
- 本人の症状変動パターン(日内・週内・月内)を記録し、「良い日・普通の日・悪い日」の頻度と特徴をつかむ
- 業務量を週単位で平準化し、ピーク日を作らない
- 重要タスクを体調の安定時間帯へ再配置する
- 90分ごとの短休憩を標準運用にする
- 週次レビューで負荷の上げ下げを事前合意する
見落としやすい点
- 難病では「今日できたことが明日できない」ではなく「良い週・悪い週」という中長期パターンがある。日々の記録だけでなく月単位の変動を確認する
- 勤務条件の変更は制度や雇用区分で変わる。善意運用だけで決めない
設計の考え方
まず変動リズムの記録で「パターン」をつかむ。パターンがわかれば業務密度の設計が可能になる。変動そのものをなくそうとせず、変動を前提とした設計を目指す。
外部と一緒に考える場面
- 支援者データ(toku18)が示す「就職後の体調管理」への最有効介入:職業場面を踏まえた職業評価(障害者職業センター、効果推定-0.10)が体調変動パターンと職務設計のミスマッチを客観評価できる。就業生活支援センター(Q1転換差+16.4pt)・HWチーム支援(+15.3pt)が企業への定期的アプローチ(効果推定-0.09)と就職後継続支援(効果推定-0.06)の主要担い手。主治医・医療ソーシャルワーカーによる自己管理支援(効果推定-0.05)と、就労している同障害者との交流・情報収集(ピア支援グループ等、効果推定-0.04)も体調管理の実践知として効果が確認されている。