Ⅱ-09

記憶・段取りの外部化設計

手順・スケジュール・約束・締め切りの記憶・管理が認知機能の特性上困難であり、忘れ・ミス・段取りの破綻が繰り返されている。

着眼点

問題は記憶力の低さではなく、「記憶して管理する」という前提の業務設計と認知プロフィールのミスマッチにある。外部記憶ツールで代替できることが多い。

こんな場面で起きやすい

先に見えやすい文脈: 高次脳機能障害 / 発達障害(ADHD)/ 難病・精神障害(認知疲労・ブレインフォグを伴う場合)

状況レベル(🟢 → 💣)

  • 🟢 安定・予防: 外部記憶ツール(メモ・チェックリスト・カレンダー)で業務管理が機能している。
  • 🟡 要調整: ツールはあるが使い方が定着しておらず、抜け漏れが発生することがある。
  • 🔴 高頻度支障: 忘れ・段取り崩れが繰り返され、業務の質と信頼関係に影響が出ている。
  • 💣 破綻・停止: 記憶・段取りの困難が就労継続の主要な壁になっている。

鑑別診断 / 問題の切り分け

このフレームを使うとき

  • 主課題が「業務の手順・期日・段取りの管理ツールの整備」なら、このフレームを優先する。

近いフレームとの見分け方

  • 指示の曖昧さが主課題なら「Ⅱ-07」へ。タスク切替が主課題なら「Ⅱ-08」へ。

具体的な取組み内容

最初にやること

  • 業務のすべての手順をチェックリスト化し、確認に使えるようにする
  • カレンダー・タスク管理アプリでのリマインダー設定を標準化する
  • 重要な連絡事項は口頭だけでなく必ず文書(メモ・チャット)で確認する
  • 業務開始時に「今日やること」を書き出す習慣を設ける

見落としやすい点

  • ツールが複雑すぎると管理自体が負荷になる。シンプルなものから始める
  • 疲労日はツールを使う余力も落ちる。最重要タスクだけに絞るシンプル設計を別途準備する

設計の考え方

「頭で覚えること」を前提とする業務設計から「記録して参照できること」を前提とする設計へ。外部記憶の活用はすべての職場人に普遍的に有効。

外部と一緒に考える場面

  • 障害者職業センターの職業評価(効果推定-0.09)と個別ツール導入支援・業務マニュアル作成支援が活用できる。就業生活支援センター(Q1転換差+16.4pt)が企業への外部記憶ツール導入の配慮申請(効果推定-0.07)と就職後継続モニタリング(効果推定-0.06)を担える。