Ⅲ-08
支援ネットワークへの接続
利用可能な支援機関・制度へのアクセス経路が不明か、存在は知っているが「動けない」「開示できない」「信頼できない」という理由で接続できていない。
着眼点
「支援につながれない」理由は一つではない。情報不足・意欲低下・開示困難・信頼関係の欠如で対応が異なる。理由を切り分けてから対応する。
こんな場面で起きやすい
先に見えやすい文脈: 難病・全方位困難状態 / 孤立・長期未就労 / 支援経験のない初回相談
状況レベル(🟢 → 💣)
- 🟢 安定・予防: 複数の支援機関と接続されており、困りごとに応じて使い分けられている。
- 🟡 要調整: 一部の機関と接続しているが、必要な支援が揃っていない。
- 🔴 高頻度支障: 支援機関の存在は知っているが、連絡・相談ができない状態が続いている。
- 💣 破綻・停止: 支援機関との接触自体が困難になっている。
鑑別診断 / 問題の切り分け
このフレームを使うとき
- 主課題が「支援機関への接続経路の整備」なら、このフレームを優先する。
近いフレームとの見分け方
| 「つながれない」理由 | 対応 |
|---|---|
| 支援機関の存在を知らない → 情報提供が先 | このフレーム(Ⅲ-08) |
| 知っているが動けない → 意欲回復が先 | Ⅲ-01「就労意欲・社会参加の再接続」 |
| 開示への恐れで動けない → 開示設計が先 | Ⅲ-03「開示判断の設計」 |
| 以前の支援への不信感がある → 信頼関係の構築が先 | このフレーム(信頼構築の設計) |
具体的な取組み内容
最初にやること
- 状況に応じた支援機関の一覧を整理する(障害者就業・生活支援センター / ハローワーク専門援助 / 就労移行支援 / 難病相談支援センター / 障害者職業センター 等)
- 「最初の一歩」を最小化する(電話ではなくメールから・来所ではなくオンラインから)
- 過去の支援への不信感がある場合は、その経験を聴いてから機関の紹介を行う
見落としやすい点
- 支援機関を一つ紹介するより「相性の合う担当者・機関を一緒に探す」姿勢が継続につながる
- 「あなたに合った支援はない」と感じていることへの共感が、接続の第一歩になることがある
設計の考え方
支援への接続は「紹介する」ではなく「一緒に選ぶ」プロセス。当事者が主体的に選んだ機関への接続の方が継続率が高い。
外部と一緒に考える場面
- このフレームはQ13連携体制参加データが直接示す成果の基盤。Q1転換差(参加者Q1率 − 非参加者Q1率)の順位:就労移行支援(+17.0pt)> 就業生活支援センター(+16.4pt)> HWチーム支援(+15.3pt)> 難病相談支援センター(+3.1pt)。支援者データ(GLM)では全5職業的課題にわたって「企業へのアプローチ(連携)」が最効果介入(効果推定-0.07〜-0.18)。接続先の優先順位はこのランキングを基準にして、当事者の状況・疾患特性に合わせて調整する。相談支援専門員・基幹相談支援センターが複数機関のコーディネーション役を担える。