Ⅱ-07
指示・業務設計の明確化
指示の曖昧さ・暗黙の前提・優先順位の不明確さが業務遂行を困難にしており、「わかっているはずなのにできない」状態が繰り返されている。
着眼点
問題は理解力や努力の不足ではなく、指示の設計が「暗黙知を持つ多数派」を前提に作られていることにある。このパターンは発達障害・高次脳機能障害だけでなく、疲労・認知症状を伴う難病・精神障害にも広く発生する。
こんな場面で起きやすい
先に見えやすい文脈: 発達障害(ADHD・ASD)/ 高次脳機能障害 / 難病・精神障害(認知疲労・集中困難を伴う場合)/ 内部障害
状況レベル(🟢 → 💣)
- 🟢 安定・予防: 指示が具体的・段階的に提示されており、業務遂行が安定している。
- 🟡 要調整: 一部の指示で曖昧さがあり、確認のやりとりが増えている。
- 🔴 高頻度支障: 曖昧な指示によるやり直し・ミス・過負荷が繰り返されている。
- 💣 破綻・停止: 業務指示が機能せず、業務遂行そのものが困難な状態になっている。
鑑別診断 / 問題の切り分け
このフレームを使うとき
- 主課題が「指示の明確化・業務手順の可視化」なら、このフレームを優先する。
近いフレームとの見分け方
- タスクの切替・並行処理が主課題なら「Ⅱ-08」へ。記憶・段取りの管理が主課題なら「Ⅱ-09」へ。会議・情報処理が主課題なら「Ⅱ-03」へ。
具体的な取組み内容
最初にやること
- 指示を「何を・いつまでに・どの品質で・誰に」の4点セットで明文化する
- 口頭指示は文書(チャット・メモ・業務マニュアル)で同時に補完する
- 優先順位が変わる場合は口頭で言うだけでなく、タスクリストを更新する
- 業務手順をチェックリスト化し、自己確認できるようにする
見落としやすい点
- 「言わなくてもわかる」という前提が指示側にある場合、具体化のコストを職場全体の効率化として提示すると受け入れやすい
- 疲労日・症状変動日は理解処理が落ちることがある。重要な指示は「良い日」に確認する設計も有効
設計の考え方
「言わなくてもわかる」から「言葉にして確認する」へ。明確な指示設計は、誰に対しても業務の質を向上させる普遍的な設計変更。
外部と一緒に考える場面
- 障害者職業センターのジョブコーチ・職業評価(効果推定-0.09〜-0.10)が職場指示設計のアセスメントと改善提案を行える。就業生活支援センター(Q1転換差+16.4pt)が企業への業務設計変更アプローチ(効果推定-0.07〜-0.09)と職場内の障害理解促進(効果推定-0.08)を担える。