Ⅱ-08

タスク切替の負荷設計

複数業務の並行処理・タスク切替の頻度が認知負荷として機能障害を増幅させており、集中困難・ミスの増加・過負荷が生じている。

着眼点

問題は集中力の欠如ではなく、業務の切替頻度と認知処理の切替コストの設計上のミスマッチにある。

こんな場面で起きやすい

先に見えやすい文脈: 発達障害(ADHD)/ 高次脳機能障害 / 難病・精神障害(認知疲労を伴う場合)

状況レベル(🟢 → 💣)

  • 🟢 安定・予防: タスク構成が単一集中型に近く、切替コストが低い設計になっている。
  • 🟡 要調整: 切替は発生しているが、時間割での区切りで対処できている。
  • 🔴 高頻度支障: 頻繁なタスク切替・割り込みにより、業務遂行に毎日影響が出ている。
  • 💣 破綻・停止: タスク切替の負荷が就労継続の主要な壁になっている。

鑑別診断 / 問題の切り分け

このフレームを使うとき

  • 主課題が「タスク切替頻度の削減と集中時間の確保」なら、このフレームを優先する。

近いフレームとの見分け方

  • 指示の不明確さが主課題なら「Ⅱ-07」へ。記憶・段取りの管理が主課題なら「Ⅱ-09」へ。

具体的な取組み内容

最初にやること

  • 一定の時間帯(例: 午前中)を特定のタスクに固定し、切替を最小化する
  • 割り込み対応の時間帯を分離し、それ以外は集中時間として保護する
  • 並行業務を可能な限り「直列化」する(AとBを同時ではなく、Aを終えてからBへ)
  • タスクの切替前に現在の状態をメモに残す「中断プロトコル」を作る

見落としやすい点

  • 「割り込み禁止」の設計は職場全体の協力が必要。本人だけの問題として扱わない
  • 切替コストは疲労度によって変動する。午後や繁忙期は切替設計をより慎重に

設計の考え方

「何でもできる汎用型の業務」から「単一集中型の業務ブロック」への再設計。業務効率化の観点でも、深い集中時間の確保は価値がある。

外部と一緒に考える場面

  • 障害者職業センターの職業場面評価(効果推定-0.09)がタスク切替困難のパターンを職業的に評価できる。就業生活支援センター(Q1転換差+16.4pt)・HW(+15.3pt)が企業への業務設計変更アプローチ(効果推定-0.07)と就職後継続支援(効果推定-0.06)を担える。