Ⅱ-02
通勤・移動の負荷設計
通勤経路・手段・所要時間・移動動線が身体的・感覚的・認知的負荷として就労継続を妨げている。
着眼点
問題は移動能力の欠如ではなく、標準的な通勤設計が特定の機能プロフィールに対して過負荷になっていることにある。
こんな場面で起きやすい
先に見えやすい文脈: 視覚障害 / 肢体不自由 / 難病(体力消耗・移動疼痛)
状況レベル(🟢 → 💣)
- 🟢 安定・予防: 通勤手段・ルート・所要時間が機能特性に合わせて最適化されている。
- 🟡 要調整: 現状の通勤でおおむね機能しているが、体力消耗・時間的余裕のなさが課題。
- 🔴 高頻度支障: 通勤消耗が仕事開始前から疲労を蓄積させ、就労継続に影響している。
- 💣 破綻・停止: 通勤自体が就労継続の最大の障壁になっている。
鑑別診断 / 問題の切り分け
このフレームを使うとき
- 主課題が「通勤手段・ルート・移動環境の再設計」なら、このフレームを優先する。
近いフレームとの見分け方
- 勤務開始時刻の変更が主課題なら「Ⅰ-05 勤務リズムの適合設計」へ。職場内の移動・作業環境整備が主課題なら「Ⅱ-01」と合わせて確認。
具体的な取組み内容
最初にやること
- 現在の通勤時間・手段・乗換回数と、消耗の大きさを具体的に確認する
- 混雑回避(時差通勤・始業時刻変更)の可否を確認する
- 在宅勤務・近隣就労・送迎サービスの選択肢を確認する
- 職場内の移動経路(エレベーター・駐車場・休憩場所等)のアクセシビリティを確認する
見落としやすい点
- 通勤負荷は季節・体調・天候によって変動する。「今は大丈夫」でも変化する可能性がある
- 在宅勤務の適用には雇用契約上の確認が必要
設計の考え方
「職場まで来ること」自体を問い直す。就労の目的は移動の達成ではなく業務の遂行であり、移動負荷を最小化する設計が就労継続を支える。
外部と一緒に考える場面
- 移動支援制度(行動援護・移動支援等)の適用はケアマネ・相談支援専門員と確認する。HW専門援助部門(Q1転換差+15.3pt)・就業生活支援センター(+16.4pt)がテレワーク・時差通勤等の企業交渉(企業へのアプローチ、効果推定-0.09)を担える。職業場面評価(障害者職業センター、効果推定-0.10)が通勤負荷と職務設計の関係を評価できる。