Ⅲ-02

制度的所属と就労選択肢の整理

障害者手帳の有無・疾患の性質・等級によって利用できる就労支援制度・就労枠組みが異なり、「自分がどの制度を使えるのか」「どの枠で就職すればよいのか」が整理できていない。

着眼点

問題は当事者の制度理解の不足ではなく、複雑な制度設計と個別状況の組み合わせを整理できる機会・専門家が不足していることにある。

こんな場面で起きやすい

先に見えやすい文脈: 難病(障害者手帳なし・または申請未検討)/ 内部障害 / 精神障害(中等度・軽度)/ 複数の障害・疾患が重なる場合

状況レベル(🟢 → 💣)

  • 🟢 安定・予防: 制度的所属が整理されており、利用できる支援の全体像が把握されている。
  • 🟡 要調整: 一部の制度は使えているが、他に利用可能な選択肢があるかどうかが不明。
  • 🔴 高頻度支障: 「どの枠で就職すればよいか」の判断ができず、求職活動が止まっている。
  • 💣 破綻・停止: 制度的所属の不明確さが就職活動・支援接続の根本的な障壁になっている。

鑑別診断 / 問題の切り分け

このフレームを使うとき

  • 主課題が「利用可能な制度・支援枠組みの整理と所属の確認」なら、このフレームを優先する。

近いフレームとの見分け方

  • 制度が整理されたうえで収入・給付のバランスが主課題なら「Ⅲ-07」へ。制度整理後に「伝えるかどうか」が主課題なら「Ⅲ-03」へ。

具体的な取組み内容

最初にやること

  • 現在の手帳(身体・精神・療育)の取得状況と等級を確認する
  • 難病指定疾患・特定疾患の認定状況を確認する
  • 「障害者枠」「一般枠」「オープン就労」「クローズ就労」それぞれの現実的な選択肢と条件を整理する
  • 手帳の申請可能性がある場合は主治医・支援者と確認する

見落としやすい点

  • 難病は「難病指定を受けていても障害者手帳の対象とならない場合」がある。制度の組み合わせは個別に確認が必要
  • 手帳取得が「固定した状態の受け入れ」という心理的意味を持つ場合がある。当事者の感情に丁寧に関わる

設計の考え方

制度的所属の整理は就労支援の入口。どの制度を「使う/使わない」は本人が選ぶが、「選択肢がある」ことを知っていることが前提条件。

外部と一緒に考える場面

  • 制度整理後の就労支援への接続では、就業生活支援センター(Q1転換差+16.4pt)とHWチーム支援(Q1転換差+15.3pt)が就業移行の最効果連携先。難病相談支援センター(Q1転換差+3.1pt)は難病特有の制度情報(難病指定・特定疾患・手帳対象外の場合)に特化した専門機能を持つ。制度整理そのものはハローワーク専門援助・就業生活支援センターが担える。