Ⅲ-05

求職活動の道筋設計

求人探索・応募・選考というプロセスの段取りが、障害・疾患の特性や制度的所属を踏まえて設計されていないため、求職活動が止まるか非効率なルートを繰り返している。

着眼点

問題は求職能力の不足ではなく、一般的な求職プロセスが障害・疾患の特性を前提としていないことにある。

こんな場面で起きやすい

先に見えやすい文脈: 難病(障害者手帳なし・または取得後初めての求職)/ 精神障害 / 内部障害

状況レベル(🟢 → 💣)

  • 🟢 安定・予防: 特性・制度に合った求職ルートが設計されており、活動が進んでいる。
  • 🟡 要調整: 求職活動は始まっているが、特性・制度に合っていないルートで疲弊している。
  • 🔴 高頻度支障: 応募・選考が繰り返し止まり、理由の分析と修正ができていない。
  • 💣 破綻・停止: 求職活動自体が止まっている、または開始できない状態にある。

鑑別診断 / 問題の切り分け

このフレームを使うとき

  • 主課題が「求人探索・応募・選考の段取り設計」なら、このフレームを優先する。

近いフレームとの見分け方

  • 制度的所属の整理が先に必要なら「Ⅲ-02」へ。開示判断が先に必要なら「Ⅲ-03」へ。就労意欲の回復が先に必要なら「Ⅲ-01」へ。

具体的な取組み内容

最初にやること

  • 利用する求職ルート(ハローワーク一般窓口・専門援助・就労移行支援・転職エージェント等)を制度的所属に合わせて選択する
  • 応募書類で「配慮ニーズの伝え方」を「Ⅲ-04 伝え方の設計」と合わせて整理する
  • 症状の変動を踏まえた「活動できる日・できない日」のペース設計をする
  • 面接後に選考結果を分析し、修正点を特定する(支援者と一緒に)

見落としやすい点

  • 「一般枠でも大丈夫」という判断は慎重に。配慮が得られないと入社後に詰まることが多い
  • 日本の支援者データ(toku18 Q1支援者の実践構造)が示すように、「条件が揃ってから求職する」より「求職しながら条件を整える」方が就職成功につながりやすい(この構造はIPS/SEが独立に整合確認している)

設計の考え方

日本の当事者データ(C6精神障害・C2全方位困難)と支援者データ(toku18 Q1支援者の早期求職実践)が示す「今の状態から始める」構造は、IPS/SEの「place-then-train(就職してから学ぶ)」と独立に整合している。「完全に準備できてから応募する」ではなく「今の状態で応募しながら調整する」というアプローチを基本にする。

外部と一緒に考える場面

  • 「就職活動の実施」(職業的課題2)への支援者データが示す最効果介入は、企業へのアプローチ(連携・効果推定-0.15)で全介入中最高水準。Q13連携体制参加でのQ1転換差は就労移行支援(+17.0pt)> 就業生活支援センター(+16.4pt)> HWチーム支援(+15.3pt)の順。就労移行支援事業所が求職活動の伴走支援を担える最優先連携先。就業生活支援センターが企業へのアプローチ・開示調整を一体的に担える。