実践の構造の差——支援者の3つの違い
意欲の差ではなく、問題の置き場所の差
就労支援の現場に意欲的な支援者はたくさんいます。しかし意欲の高さが実践の質に直結しているわけではありません。 大規模支援者調査データが明らかにしたのは、実践の質の差を分ける3つの構造的な違いです。
2つのタイプの支援者が浮かびあがります——就労の困難を仕事・環境・制度の設計課題として読み替えて動く支援者(設計課題型)と、本人の特性・症状・能力の問題として帰着させる傾向がある支援者(個人特性型)です。この違いは、経験年数や診断名の有無によるものではありません。
01 問題の置き場所
個人特性型支援者
就労の困難を本人の特性・症状・能力に帰着させる。「この人にはこの仕事は向かない」「もう少し安定してから」。
設計課題型支援者
就労の困難を仕事・環境・支援・制度の設計課題として読み替える。「この仕事のどの部分が合っていないか」を先に問う。
02 支援の射程
個人特性型支援者
支援が相談室・就職前で完結する。就職後のフォローアップは単発で終わり、職場の現場に入る機会がほとんどない。
設計課題型支援者
支援を職場の中まで届ける。就職後のフォローアップ・職場内の問題把握・雇用企業への継続的な関与が通常業務に組み込まれている。
03 企業へのアプローチ
個人特性型支援者
「配慮をお願いする」スタンス。企業側の対応が弱ければ後退する。
設計課題型支援者
「仕事をこう設計すれば継続できる」という具体的な提案を持って企業に臨む。支援効果データで最も有効な介入は、一貫して企業への積極的なアプローチです。
04 外部連携の使い方
個人特性型支援者
「対応できないときに引き継ぐ」ための連携。単発で終わる。
設計課題型支援者
外部機関を「支援を補完するパートナー」として設計に組み込む。就労移行支援との連携で転換率を17ポイント押し上げることが確認されています(NIVR No.134)。