知識ネットワークについて

NBLの専門知識ネットワークは、日本の調査データから導いた就労困難の因果構造と、有効な介入の体系です。

FCHMAとは

Framework-guided Contextual Hypergraph and Manifold Analysis(枠組み誘導型 文脈ハイパーグラフ・マニフォールド分析法)

FCHMAはNBLが独自に開発した就労困難の分析方法論です。9,000件超の一次調査データを基盤に、就労の詰まりを「症状の列挙」ではなく「因果連鎖の構造」として分析するために設計されました。

ICF(国際生活機能分類)を参照枠として、身体機能・活動・参加・環境因子・個人因子の相互作用を捉え、「どの経路で困難が起きているか」を特定します。AIによる仮説候補の生成と、支援者・当事者による検証・フィードバックを組み合わせることで、ケースごとの因果構造を明らかにします。

はたらく相談室(/jac/next)では、このFCHMAの実装プロファイルとして「Functional Causal Hypothesis Manifold Analysis」を採用し、ICFベースの機能的因果仮説の生成と検証を1セッション内で完結させる設計をとっています。

従来のアプローチ

  • • 診断名 → 配慮対応表のルックアップ
  • • 症状・困りごとのチェックリスト化
  • • 単一要因への対処
  • • 静的なケース記録

FCHMAのアプローチ

  • • 因果経路から介入点を特定
  • • 複数因子の相互作用・連鎖を構造化
  • • 時間経過・変化・再燃を含む動的分析
  • • 仮説の生成・検証・学習サイクル

FCHMAアトラス(8ドメイン × 6モチーフ)

FCHMAを実装する分析構造です。8つの問題ドメインと6つの因果モチーフの組み合わせで、困難の構造を特定します。

8つの問題ドメイン

D1

症状変動

体調・治療・疲労の波と仕事密度のミスマッチ

D2

感覚・認知ギャップ

感覚処理・認知様式と環境要求の不整合

D3

情報処理負荷

指示・情報・マルチタスクの処理容量超過

D4

対人コミュニケーション

職場内の意思疎通・関係構築の困難

D5

開示・配慮交渉

困難の開示と配慮の実装における障壁

D6

就労移行・参加経路

就職プロセス・支援接続の断絶

D7

時間経過・移行

経過・再発・制度移行に伴う不安定化

D8

組織・制度設計

職場構造・機関体制・政策の不整合

6つの因果モチーフ

M1

増幅

一つの困難が他の困難を連鎖的に強める

M2

ミスマッチ

本人の機能特性と環境要求が合っていない

M3

ボトルネック

一点の詰まりが全体の流れを止めている

M4

緩衝

保護因子が困難を和らげている構造

M5

補償

本人または環境が困難を別の方法で補っている

M6

遅延再燃

一時的な安定の後、困難が再び現れる

知識は更新し続ける:3ループ構造

専門知識ネットワークは、3つのループで継続的に更新されます。

ループ1

外部知識の更新

国際ガイドライン・研究成果・新しいエビデンスを定期的に取り込み、知識の外縁を広げます。

ループ2

実ケースからの学習

はたらく相談室(AI対話)で積み上がる実際の相談事例から、典型パターンと介入の有効性を更新します。

ループ3

一次データの更新

継続的な調査実施と分析により、日本のデータ基盤そのものを更新します。