認知補助ツールキット / Package 04

連携会議の地図合わせ

関係者が集まっても、本人、企業、支援者、医療・生活側が別々の場面を見ていると、会議は情報共有で止まります。このキットは、最初の30分を、同じ仕事場面、役割、戻り回路へ変える道具です。

使い方: 会議の冒頭で「今日は何の仕事場面を見るか」を一つに絞ります。制度名や支援メニューではなく、同じ場面を机に置いてから話します。

多職種が同じ仕事場面を見るインフォグラフィック

USE CASE / 使う場面

このキットで、何を場に残すか。

対象

就労支援機関、企業人事・上司、医療・生活支援、行政担当が同席する連携会議

時間

30分ミニ会議 / 45分研修ワーク / 90分ケース検討

持ち帰るもの

同じ仕事場面1枚、4役割カード、確認担当、次回の戻り先

QUICK START

最初の一声: 場面を一つに絞る

「今日見るのは、復職初週の月曜朝です」と宣言し、話題の拡散を止める。

TOOL FLOW / 図解からワークへ

図解で入口を開き、場面でそろえ、印刷3枚で一手を残す。

1. 図解

多職種が同じ仕事場面を見るインフォグラフィック

最初に全員が同じ絵を見て、話題の入口をそろえる。

2. 場面

復職初週の月曜朝。本人、上司、支援者、医療・生活側が別々の地図を持っている。

抽象語を、具体的な仕事場面と複数の声へ戻す。

3. ワーク

同じ場面シート / 4役割カード / 戻り回路シート

最後に、会議や研修で記入できる紙として持ち帰る。

ROOM SET / 会場に置くもの

説明を聞く前に、机の上に道具を置く。

机の中央

同じ場面シートを1枚置き、議題名ではなく「復職初週の月曜朝」などの場面名を書く。

参加者の手元

4役割カードを配り、自分の立場で見えていることと未確認を1つずつ書く。

会議の出口

戻り回路シートに、確認担当、期限、戻す会議・記録を必ず残す。

KIT MAP / このキットに入っているもの

入口、比喩、場面、構造、ワーク、読み下しを一つにする。

読み 1

連携の詰まり

関係者は善意で集まっているのに、本人、仕事、医療生活、制度のどこを見るかが揃わない。

読み 2

専門チームの読み

連携不足ではなく、同じ仕事場面へ再翻訳する容量が不足している。

読み 3

道具の役割

役割カード、場面地図、戻り回路シートで、会議後に残る一手を作る。

SCENE / 場面のリアリティ

復職初週の月曜朝。本人、上司、支援者、医療・生活側が別々の地図を持っている。

止まりやすい終わり方

「連携を強化しましょう」で終わると、誰が何を確認するかが残らない。

読み替え

同じ仕事場面を一つ選び、本人・企業・支援・医療生活の言葉を、仕事、時間、情報、支援、評価、制度へ置き直す。

本人

「月曜朝は動ける日と動けない日がある。どこまで言えばよいか分からない」

職場上司

「急な欠勤時の代替と、周囲への説明をどうすればよいか分からない」

支援者

「本人の説明を職場語に戻したいが、会議では時間が足りない」

医療・生活側

「通院、睡眠、回復時間は週によって変わる。勤務表だけでは見えない」

FILLED SAMPLE / 記入例

記入例: 復職初週の月曜朝

今日見る場面
復職初週の月曜朝。出勤可否、代替、共有範囲が同時に重なる。
本人が見ていること
動ける日と動けない日の差があり、どこまで説明すればよいか迷う。
職場が見ていること
急な欠勤時の代替、人員余力、周囲への説明が不安。
確認する一手
次回までに、月曜朝の連絡先、代替手順、共有しない情報を分けて持ち寄る。

記入例は判断例ではありません。参加者が「どの粒度で書けばよいか」をつかむための人工的な例です。

FACILITATION / 進行台本

進行者が、そのまま読んで進められる形にする。

時間
進行
進行者の声かけ
残すもの
0-5分
場面を一つに絞る
「今日見るのは、復職初週の月曜朝です」と宣言し、話題の拡散を止める。
場面名が1つ残る
5-12分
4つの声を出す
本人、職場、支援、医療生活側の見えている情報と未確認情報を分ける。
4役割カードが埋まる
12-22分
仕事条件へ置く
仕事、時間、情報、支援、評価、制度へ貼り替える。
条件地図ができる
22-30分
戻り回路を決める
誰が、いつ、何を確認し、どの会議へ戻すか決める。
次回戻す1手が残る

PRINT SET / 印刷して使う3枚

説明を、会議で書ける紙に変える。

同じ場面シート

会議の対象を「本人全体」ではなく、具体的な仕事場面へ絞る。

今日見る場面
場面が起きる時間帯
関係者
今日決めないこと

4役割カード

誰が正しいかではなく、誰が何を見ているかを並べる。

本人が見ていること
職場が見ていること
支援者が見ていること
医療・生活側が見ていること

戻り回路シート

会議後に消えないよう、確認担当と戻り先を決める。

確認すること
担当
期限
戻す会議・記録

CARD DECK / 場で使う問いカード

迷った時に、場を戻す短い問い。

場面を一つにする

「今日の会議で見る仕事場面は何ですか」

議題が広がったら、このカードに戻す。

正しさではなく見え方

「それぞれが何を見ていて、何が見えていませんか」

対立を判断にせず、情報差へ置く。

次回戻す

「次回までに誰が何を確認しますか」

連携を連絡で終わらせない。

VISUAL / 中心図解

まず、見える形にする。

多職種が同じ仕事場面を見るインフォグラフィック

多職種が同じ仕事場面を見るインフォグラフィック

この図は判断ではなく、会議や研修で同じ場面を思い浮かべるための入口です。

つなぐ光のジャケット画像

音の入口: つなぐ光

文章を読む前に、テーマの空気を変える入口として使います。音は判断や助言ではなく、話し始めるための補助です。

読み下しテキスト

図を見ない人にも、同じ意味が伝わるように、各ページに言葉で追える説明を置いています。

視覚情報だけに頼らず、会議で読み上げられる文章として使います。

READ DOWN / 読み下し

図・音・カードの意味を、言葉でも守る。

このパッケージでは、連携を人数や連絡頻度で評価しません。関係者が同じ仕事場面を見て、次に確認する条件と戻り先を残せたかを見ます。

注意を開く

入口カード: 今日は、何の仕事場面を見るか。

会議の最初に「本人の課題」「企業の課題」「支援の課題」を並べる前に、同じ仕事場面を一つ選ぶ。

例: 朝の出勤直後、急な変更連絡、体調悪化後の復帰初日、評価面談前の準備。

比喩でつかむ

会議は、地図合わせから始める。

本人は生活と健康時間の地図を持つ。企業は業務と評価の地図を持つ。支援者は制度と支援経路の地図を持つ。

地図が違うまま助言を重ねると、誰も間違っていないのに実装が止まる。

場面で見る

4つの声を、同じ場面に置く。

本人: 「朝は動ける日と動けない日がある」

企業: 「急な欠勤時の代替が読めない」

支援者: 「本人の説明を職場語に戻す時間が足りない」

医療・生活側: 「通院や回復時間は週単位で変わる」

構造に置く

分野別の言葉を、6つの仕事条件へ戻す。

仕事: 何の作業で止まるか

時間: いつ、どの周期で変動するか

情報: 誰に、どの粒度で共有するか

支援: 誰が翻訳し、誰が戻すか

評価: 何を成果として見るか

制度: どの手続き・資源につなぐか

手を動かす

30分会議の進行台本。

0-5分: 今日見る場面を一つ選ぶ。

5-15分: 4役割カードで、見えている情報と見えていない情報を分ける。

15-25分: 仕事、時間、情報、支援、評価、制度へ置く。

25-30分: 誰が、いつ、何を確認して戻すかを決める。

読み下しで守る

このキットで判断しないこと。

このキットは、誰が正しいかを決めるものではありません。

医学判断、法的判断、合理的配慮の妥当性判断、就労可否判断は扱いません。

目的は、次に確認できる仕事条件と戻り先を残すことです。

BOUNDARY / 境界

このキットは、判断ではなく場面共有の入口です。

個別の就労可否、医学判断、法的判断、合理的配慮の妥当性判断、公開承認済みの知識主張としては扱いません。実際の支援や職場判断では、本人、仕事、環境、支援、時間、制度の具体的文脈を別途確認します。