認知補助ツールキット / Package 06

配慮名の前に、仕事を分解する

合理的配慮を、名前当てや制度説明で終わらせると、実際の仕事のどこを変えるのかが見えにくくなります。このキットは、作業、時間、情報、評価、相談線へ分け、二週間で試せる仕事設計へ戻す道具です。

使い方: 「どんな配慮が必要か」をいきなり聞かず、まず止まっている作業、時間、情報、評価、相談線を分けます。

合理的配慮を仕事設計へ戻すインフォグラフィック

USE CASE / 使う場面

このキットで、何を場に残すか。

対象

企業人事・上司、就労支援者、研修担当、合理的配慮の相談を受ける実務者

時間

30分相談整理 / 45分研修ワーク / 2週間実験設計

持ち帰るもの

配慮名の前に、作業、時間、情報、評価、相談線へ分解した仕事設計メモ

QUICK START

最初の一声: 配慮名を仮置きする

「休憩」などの名前は書くが、正解扱いしない。

TOOL FLOW / 図解からワークへ

図解で入口を開き、場面でそろえ、印刷3枚で一手を残す。

1. 図解

合理的配慮を仕事設計へ戻すインフォグラフィック

最初に全員が同じ絵を見て、話題の入口をそろえる。

2. 場面

「休憩が必要です」と言われた。配慮名はあるが、何を変える話なのかが見えない。

抽象語を、具体的な仕事場面と複数の声へ戻す。

3. ワーク

仕事分解表 / 二週間実験シート / 合意メモ

最後に、会議や研修で記入できる紙として持ち帰る。

ROOM SET / 会場に置くもの

説明を聞く前に、机の上に道具を置く。

最初の5分

配慮名を仮置きし、正解扱いしないことを全員で確認する。

中央の表

作業、時間、情報、評価、相談線に分け、本人の困難と職場の不安を同じ表に置く。

出口

二週間だけ試す条件を一つ選び、見るサインと見直し日を決める。

KIT MAP / このキットに入っているもの

入口、比喩、場面、構造、ワーク、読み下しを一つにする。

読み 1

止まりやすい見方

「在宅勤務」「時短」「休憩」などの配慮名を先に探す。

読み 2

専門チームの読み

配慮名ではなく、作業、時間、情報、評価、相談線のどこで接触が詰まるかを見る。

読み 3

道具の役割

分解カードと二週間実験で、制度説明を小さな仕事設計へ変える。

SCENE / 場面のリアリティ

「休憩が必要です」と言われた。配慮名はあるが、何を変える話なのかが見えない。

止まりやすい終わり方

「休憩を認める / 認めない」だけで考えると、作業、時間、情報、評価の重なりが消える。

読み替え

配慮名をいったん脇に置き、どの作業で、どの時間帯に、どの情報・評価・相談線が詰まるかを見る。

本人

「午後の会議後に集中が切れ、報告ミスが増える」

上司

「休憩を入れると締切に間に合うのかが心配」

人事

「制度上どう扱うかは気になるが、まず実態を知りたい」

支援者

「休憩という名前より、負荷が重なる条件を分けたい」

FILLED SAMPLE / 記入例

記入例: 午後の会議後にミスが増える

仮置きされた配慮名
休憩、会議時間の調整、報告方法の変更。まだ正解とは扱わない。
仕事条件の分解
午後会議の直後に報告作業が重なり、変更情報の確認時間がない。
職場側の不安
締切、顧客対応、他メンバーへの引き継ぎが読めない。
二週間実験
会議後15分の確認時間を置き、報告ミス、本人負担、締切影響を見直す。

記入例は判断例ではありません。参加者が「どの粒度で書けばよいか」をつかむための人工的な例です。

FACILITATION / 進行台本

進行者が、そのまま読んで進められる形にする。

時間
進行
進行者の声かけ
残すもの
0-5分
配慮名を仮置きする
「休憩」などの名前は書くが、正解扱いしない。
配慮名が仮置きされる
5-15分
仕事を5つに分ける
作業、時間、情報、評価、相談線へ分ける。
分解表が埋まる
15-25分
二週間で試す条件を選ぶ
変更する条件を一つだけ選び、観測サインを決める。
実験条件が決まる
25-30分
境界を確認する
医療・法的・雇用判断をこの場で決めないことを確認する。
安全な合意メモが残る

PRINT SET / 印刷して使う3枚

説明を、会議で書ける紙に変える。

仕事分解表

配慮名の前に、実際の仕事を分ける。

作業
時間
情報
評価
相談線

二週間実験シート

大きな制度判断に急がず、小さく試す条件を作る。

試す変更
見るサイン
本人の負担
職場の負担
見直し日

合意メモ

誰が何を共有し、どこまで共有しないかを残す。

共有する仕事条件
共有しない個人情報
相談先
見直し条件

CARD DECK / 場で使う問いカード

迷った時に、場を戻す短い問い。

名前を仮置きする

「その配慮名は、どの仕事条件を変える話ですか」

配慮名を入口にするが、結論にしない。

接触点を見る

「本人の困難と職場の不安は、どの作業で接触していますか」

人の評価ではなく条件を見る。

小さく試す

「二週間だけ変えるなら、何を変えますか」

実験可能な設計へ落とす。

VISUAL / 中心図解

まず、見える形にする。

合理的配慮を仕事設計へ戻すインフォグラフィック

合理的配慮を仕事設計へ戻すインフォグラフィック

この図は判断ではなく、会議や研修で同じ場面を思い浮かべるための入口です。

配慮があれば働けるのジャケット画像

音の入口: 配慮があれば働ける

文章を読む前に、テーマの空気を変える入口として使います。音は判断や助言ではなく、話し始めるための補助です。

読み下しテキスト

図を見ない人にも、同じ意味が伝わるように、各ページに言葉で追える説明を置いています。

視覚情報だけに頼らず、会議で読み上げられる文章として使います。

READ DOWN / 読み下し

図・音・カードの意味を、言葉でも守る。

このパッケージは、合理的配慮の妥当性や法的義務を判定しません。配慮名を、現場で確認できる仕事条件へ分解し、次の相談を安全に進めるための道具です。

注意を開く

入口カード: 配慮名を探す前に、仕事を見る。

「疲れやすいので配慮が必要です」で止めると、どの作業、どの時間、どの情報共有を変えるのかが見えない。

最初の問いは「何の仕事条件が重なっているか」。

比喩でつかむ

配慮はラベルではなく、摩擦を下げる設計。

机の高さ、道具の置き場、締切の粒度、情報共有のタイミング。

摩擦は本人の中だけでなく、仕事と環境の接触点にある。

場面で見る

よくある相談を、仕事条件へ戻す。

本人: 「午後になるとミスが増える」

上司: 「どこまで任せてよいか分からない」

人事: 「制度上どう説明すればよいか気になる」

支援者: 「配慮名より先に、作業条件を見たい」

構造に置く

5つに分ける。

作業: 何をする仕事か

時間: いつ、どの長さで負荷が出るか

情報: 指示、変更、相談はどこを通るか

評価: 何を成果として見るか

相談線: 困った時に誰へ戻せるか

手を動かす

二週間実験シート。

変える条件を一つ選ぶ。

実験前に、本人、上司、支援者が見るサインを決める。

二週間後に、成果、負担、見落としを戻す。

うまくいったら標準化し、違ったら条件を変える。

読み下しで守る

配慮の正解を、この場で決めない。

このキットは、合理的配慮の法的妥当性を判定するものではありません。

医療情報の開示を求めるものでもありません。

目的は、職場で確認できる仕事条件を見つけることです。

BOUNDARY / 境界

このキットは、判断ではなく場面共有の入口です。

個別の就労可否、医学判断、法的判断、合理的配慮の妥当性判断、公開承認済みの知識主張としては扱いません。実際の支援や職場判断では、本人、仕事、環境、支援、時間、制度の具体的文脈を別途確認します。